ZEH仕様の注文住宅を建てるメリット・デメリットとは?

公開日:2022/08/01  最終更新日:2023/07/03

注文住宅を検討していると、耳に入るのがZEHという言葉です。住宅メーカーや工務店で「ZEHビルダー」を名乗るところも増えてきました。しかしZEHとは?とたずねられて、答えることができない方も多いはず。

ここではZEHという言葉の意味や、注文住宅をZEH仕様にすることのメリット・デメリットについてお話します。

そもそも「ZEH」とは?

「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」を略したもので、直訳すると「エネルギー収支をゼロ以下にする家」、作り出すエネルギーが消費するエネルギーを、上回る家のことを指しています。ZEH住宅の条件はエネルギーを作り出すための設備と消費を抑えるための工夫がそろっていること。

登録されたZEHビルダーやプランナーによる、設計・建築が必要になります。エネルギーを作り出すための設備とは、具体的には太陽光発電パネルと蓄電池のこと。抑えるための工夫とは断熱性・気密性を向上させた住宅や、エネルギーの収支を監視する「HEMS(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)」、省エネ型家電などのことです。

なぜZEHが注目を集めているのか?

CO2排出量の削減など、環境負荷の軽減が叫ばれていますが、同様のことは新築住宅にも求められているからです。エネルギーを作り出し消費するZEHは、環境負荷の軽い住宅になります。政府は「2030年以降に新築される住宅で、ZEH基準の省エネルギー性能の確保を目指す」ことを目標として掲げています。

ZEHの先をゆく「ZEH+」「次世代ZEH+」も登場

「ZEH+」住宅とは、ZEHをさらに上回る省エネ性能を持つ住宅で、電気自動車の充電設備など、再生可能エネルギーを自家消費するための設備を導入した住宅のこと。

「次世代ZEH+」とはZEH+に加えて、蓄電システムや燃料電池などの設備を導入した住宅のことです。またAIやIoT技術の導入により、従来のHEMSより効果的なエネルギー収支の監視ができる「次世代HEMS」も登場しています。

ZEH仕様の注文住宅を建てるメリット

再生可能エネルギーを活用するZEH仕様の住宅なら、環境負荷を減らすことができますが、メリットはそれだけではありません。

光熱費が削減できる

太陽光発電システムで電気を作り、高断熱・高気密の住宅で暮らし、省エネ仕様の家電を使うため、従来の住宅と比べて大幅な光熱費の削減が見込めます。ZEH仕様の注文住宅の最大のメリットといえるでしょう。

国からの補助金が期待できる

ZEHの普及を後押しするために、国は補助金を用意しています。2022年度ならZEHを建てると55万円、先述した「ZEH+」住宅や「次世代ZEH+」を建てると100万円、加えて「次世代HEM」を導入することで112万円が支払われるのです。

あわせて各自治体が補助金を用意しているケースもありますから、合わせるとさらに大きなメリットになるでしょう。

快適・健康な毎日になる

ZEH仕様の注文住宅は、高気密・高断熱の住宅です。少し前の住宅と比較しても、冷暖房の効きは目覚ましいものがありますから、四季を通じて快適な住宅となるでしょう。

また軽減できるのはヒートショックの危険、家庭内における急激な温度差で体調を崩す危険性も薄れますから、健康な毎日を過ごすことができるのです。災害時に電力の供給が止まっても発電・蓄電設備がありますから、しばらくは安心して過ごすことができるでしょう。

ZEH仕様の注文住宅を建てるデメリット

よいことづくめのZEHですが、そればかりではありません。ここからはZEH仕様にするデメリットについてみていきましょう。

コストがかかる

住宅の高断熱・高気密化や太陽光発電システム、HEMSなどの導入にはコストがかかります。補助金が用意されており、光熱費が削減できるからといって、元がとれるかどうかは疑問です。

太陽光発電システムに必要なパワ-コンディショナーは10年くらいで寿命が来ますし、蓄電池も使っているうちに劣化していくでしょう。また台風などの影響で、太陽光発電パネルがダメージを受けるかもしれません。導入コストだけでなく、メンテナンスやランニングコストもかかるのがZEHなのです。

自由に住宅が建てられなくなる

効率的な太陽光発電のために、住宅の屋根の形や向きが制限されるかもしれません。屋根の上に太陽光発電パネルがのったデザインは好きではないとしても、ZEHのためならしょうがありません。好きにデザインできるという、注文住宅の魅力が薄れる可能性があるのです。

安定した発電ができないかも?

糸島なら安定した日照が見込めるとはいえ、絶対とは言い切れないのが太陽光発電の不安なところです。日照時間が例年より短く、期待した発電量が得られないときもあるでしょう。

まとめ

ZEHが注目を集めていますが、得られるのはメリットばかりではありません。導入コストなどデメリットもあるのがZEHですから、充分な検討が必要になるでしょう。何しろいったん建てたなら簡単には手放せないのが注文住宅、ZEHに限らず何ごとにも充分な検討が必要になるでしょう。

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