スムーズな家づくりのために知っておきたい予算検討から入居までの流れと注意点

公開日:2024/04/15  最終更新日:2024/01/30

注意ポイント

家づくりには慎重な計画が欠かせません。この記事では、注文住宅建築の基本的な流れや後悔しないためのポイントを紹介します。予算検討から理想の住まいの手に入れる方法まで順を追って解説していきます。また、家づくりの過程で陥りがちな注意点や、家づくりの過程でおこなう費用支払いのタイミングなどにも焦点を当てます。

注文住宅建築の基本的な流れを紹介

家を建てるという大きなプロジェクトに着手する際、注文住宅建築の基本的な流れを理解し、注意点を心得ておくことは、理想の住まいを実現するために重要です。以下、注文住宅を建てる際のステップを詳細に解説していきます。

ステップ1 予算の検討

予算の検討は家を建てる上で最も基本的かつ重要なステップです。この段階での誤算は、将来的な住宅ローンの資金繰りや、返済の負担を引き起こす可能性があります。自己資金と住宅ローンを組み合わせ、具体的な予算を検討することが求められます。

自己資金は貯蓄や親からの援助などを含み、住宅ローンは月々の返済能力から借入可能な上限を算出します。土地がある場合とない場合での予算配分も異なりますので、注意深く計画しましょう。

ステップ2 家のイメージづくり・希望条件の整理

予算が明確になったら、次は理想の家のイメージを具体化し、希望条件を整理します。これはハウスメーカーや工務店に相談する前に行うべき大切なプロセスです。

家の外観や内装、間取りについては、ハウスメーカーや工務店に相談する前に、家族で話し合ってイメージを共有しましょう。モデルハウスの見学やウェブサイトでの画像検索など、アイディアのインスピレーションを得ることが重要です。

こだわりたい場所や将来的な要望についても、家族で話し合い、具体的に整理しておきます。二世帯住宅、介護、バリアフリー、部屋数の変動など、将来のライフスタイルに合わせたプランニングが必要です。住みたいエリアや通勤・通学時間の条件も考慮に入れましょう。これらの条件は、日常生活の快適さや便利さに影響を与えます。

ステップ3 工務店・ハウスメーカーを探す

理想の住まいを手に入れるためには、信頼性のあるハウスメーカーまたは工務店を見つけることが不可欠です。それぞれの特徴や強みを比較し、自身に合った企業を選びます

ハウスメーカーは品質や工期の短さが魅力ですが、地域密着型の工務店は低予算で建てることができる傾向があります。設計事務所も選択肢として考えられますが、その際はデザイン性にこだわる一方で、予算の上昇にも注意が必要です。

また、ハウスメーカー・工務店を選ぶ際には、同時に土地探しも進めましょう。土地を先行して購入すると、後で予算のバランスが難しくなる可能性があります。複数の方法で土地を探すことで、幅広い選択肢から最適なプランを見つけることができます。

そして、土地を選定する際には、その土地に適したハウスメーカーや工務店を選ぶことも重要です。土地の形状や特性に合った建築プランを提案できるかどうかは、家づくりの成功に直結します。

ステップ4 間取りプラン・見積もりの提案

ハウスメーカー・工務店に依頼して、具体的な間取りプランと見積もりを提案してもらいます。複数のハウスメーカー・工務店から提案を受け、それぞれの間取りプランと見積もりを比較します。概算ではなく具体的なプランをもとに比較することで、後の予算オーバーのリスクを軽減できます。

ステップ5 本契約(工事請負契約)

選定したハウスメーカー・工務店と本契約を締結します。この契約は、工事の完成を約束する一方で、建物の完成に対する報酬の支払いを約束するものです。注意深く契約内容を確認しましょう。

契約内容やキャンセル時の取り扱いなど、不明な点はすべて担当者に確認します。手付金などの取り決めも理解し、納得のいく契約を行います。

ステップ6 建築プランの詳細打ち合わせとプラン決定

本契約の締結後、ハウスメーカー・工務店と建築プランの詳細な打ち合わせを行います。具体的な間取りや建築材料、デザインなどの決定が行われます。着工前には、建築確認申請が進行します。自治体に提出するための図面や書類を整え、建築確認済証を受けることで着工が可能となります。

ステップ7 着工

いよいよ、新築工事の着工が始まります。この段階での注意点や着工前後に行うべきことについても確認しておきましょう。着工前には、ご近所への挨拶回りやホームインスペクションの検討が必要です。

着工が始まると、騒音や通行止めによるご迷惑が生じる可能性がありますので、コミュニケーションを大切にしましょう。着工後には、工事の進捗状況を確認し、細部にわたって工事が図面通りに進んでいるかを確認します。工事の見学も行い、自身の期待に添えているか確かめます。

ステップ8 竣工・引き渡し・入居

工事が完了したら、自治体の完了検査を受け、建物の引き渡し、入居となります。このプロセスでは、慎重な確認とスムーズな手続きが求められます。引き渡し前には、図面通りに建物が完成しているかを確認するため、建物の確認と調整が行われます。

細かな不具合や修正が必要な場合、しっかりと担当者に伝えましょう。引き渡し日には、住宅ローンの実行や建築代金の支払い、登記手続きなどが行われます。この時点で鍵や保証書なども受け取り、入居の準備が整います。

新居に引っ越したら、新しい生活を始めるための手続きを進めます。引っ越しの準備や必要な家具・家電の購入、火災保険の検討などが行われます。

以上が、注文住宅建築の基本的な流れです。計画的で注意深い進行により、理想の住まいが実現することでしょう。

後悔しないための注意点

注文住宅を建てる際に後悔しないための注意点を詳しく見ていきましょう。

入居希望日からの逆算計画

注文住宅の建築には様々なステップがあり、とくに土地探しからの場合は、1年から1年半かかることが一般的です。希望する土地が見つかるまでの期間を考慮し、入居希望日の1年半前から準備を始めることがおすすめです。土地探しからスタートする場合、余裕をもって計画を進めることで、理想の住まいを実現しやすくなります。

本契約前の確認

本契約を締結する前に、契約内容をしっかり確認することが大切です。本契約は一度締結すると後からの変更が難しいため、契約に含まれる項目、契約に含まれない項目、キャンセル時の対応、違約金や手付金などの支払いスケジュールなど、細かな点についても疑問を解消し、納得のいく契約を締結しましょう。

追加費用と工期の延長に備える

建築プロセスでは予期せぬ事態が発生する可能性があります。たとえば、仕様の変更に伴う追加費用やスケジュールの遅れ、部品の調達の遅れや悪天候が続くことで工期が延びるなどです。このような事態になった際も対応できるように、追加費用の発生や工期の延長に備えておくことが重要です。

予算内に収める

理想の住まいを実現するためには、最初に設定した予算内に収めることが不可欠です。無理なく返済できる範囲で予算を設定しましょう。理想を追求することで予算オーバーが生じる可能性があるため、バランスを考えながら進めることが重要です。

ご自身にぴったりの工務店を見つける

注文住宅の建築においては、工務店との相性が成功の鍵となります。以下のポイントを考慮して、自身にぴったりの工務店を選びましょう。

・要望を伝えやすい雰囲気がある
工務店とのコミュニケーションがスムーズに行えるかどうかは重要です。要望や疑問をしっかり伝えられるかを確認しましょう。

・具体的な提案が得られる
ざっくりとしたイメージから具体的な提案まで、工務店がきめ細かいサポートを行えるかがポイントです。コミュニケーションのなかで具体性を感じるかどうかを確認しましょう。

・こまめな連絡がある
建築プロセスでは様々な段階で連絡が必要となります。工務店がこまめな連絡を行ってくれるかどうかも検討ポイントです。

実際に話を聞きに行き、相性を確認することで、後悔する可能性を軽減できるでしょう。

こだわりたいポイントを書き出しておく

後悔しないためには、こだわりたいポイントを事前に書き出しておくことが重要です。プランが完成した後に仕様変更が難しい場合もあるため、具体的な要望や希望を明確にしておきましょう。完成後に「こうしておけばよかった」とならないように、事前に細部まで考え抜くことが大切です。

将来のライフプランや通勤時間も考慮する

注文住宅は将来のライフプランに合わせて建てることが重要です。家族構成の変化や通勤時間の変化に備え、長期的な視点を持って家づくりを進めましょう。子どもの成長や両親の介護、勤務先の変更などを考慮し、将来も快適に暮らせる住まいを目指しましょう。

これらの注意点を押さえながら、注文住宅の建築プロセスを進めることで、理想の住まいを手に入れ、後悔のない満足度の高い生活を築くことができるでしょう。

注文住宅購入に伴う支払いのタイミング

注文住宅を建てるときに不可欠なのが、お金の流れに関する理解です。建築費の支払いは通常3~4回に分かれ、支払回数や割合は建築会社によって異なりますが、一般的なスケジュール・比率は以下の通りです。

工事請負契約時(本契約)締結時:建物代金の約5~10%

着工時:建物代金の約30%

上棟時(建物の骨組みが完成した時):建物代金の約30~40%

引き渡し時:建物代金の約30%

これらの支払いは建築の進捗に応じて行われ、支払いのタイミングを把握しておくことが重要です。

つなぎ融資・分割実行の活用

通常、住宅ローンは建物が完成した際に実行されるため、完成前に発生する支払いには自己資金が必要です。そして、自己資金が足りない場合、注文住宅の建築においてはつなぎ融資や分割実行が活用されます。

つなぎ融資:家が完成するまで金利だけを支払い、完成後に住宅ローンに一本化される仕組みです。

分割実行:住宅ローンの一部を事前に前払いし、建物完成前から資金を活用できる商品です。

ただし、これらの融資は全ての金融機関で提供されているわけではなく、信用力の高いハウスメーカーや工務店でないと利用が難しい場合もあります。支払いスケジュールや融資については、事前に建築会社や金融機関と相談し、スムーズな資金計画を立てることが重要です。

まとめ

理想の住まいを手に入れるためには、計画的な家づくりが不可欠です。予算検討から入居までの流れを順を追って把握し、注意点を理解することで後悔を避けられます。とくに、支払いのタイミングを確認し、つなぎ融資や分割実行の活用など柔軟な資金計画を立てることが成功の鍵です。工務店やハウスメーカーの選定や契約前の確認、追加費用や工期の延長に備えることも大切です。将来のライフプランや通勤時間も考慮し、理想の住まいへの第一歩を踏み出しましょう。

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