家の性能とは?重要なポイントをご紹介!

公開日:2023/11/16  

家

マイホームにさまざまな理想を持つ方は少なくありません。間取りや日当たりの良さ、趣味を楽しめる庭など、理想の暮らしは人それぞれです。

しかし、快適で理想的な暮らしを送るためには、それ以上に「家の性能」が大切なポイントとなります。家の性能には、耐震性や耐久性はもちろん、家の中の室温を一定に保つことも含まれています。

そこで今回は、家の性能について重要なポイントを紹介します。

家の性能とは

従来の家づくりでは、間取りや日当たりの良さなどが重視されがちでした。近年は、より快適性を求める方が多く、家の性能にこだわった家づくりが注目を集めています。

家の性能とは、断熱性や気密性、耐震性などの要素を指します。これらの性能に優れた住宅のことを、建築業界では高性能住宅と呼んでいます。

世界でも有数の地震大国である日本においては、耐震性にこだわった家づくりが重要です。また、断熱性や気密性を兼ね備えた住宅は、快適な住環境と光熱費の削減を実現します。

家の性能のポイント

家の性能には、耐久性や耐震性、気密性など、さまざまな要素があります。それぞれ詳しく解説します。

耐震性

耐震性とは、地震が発生した時の大きな揺れに耐えられる力のことを指します。耐震性に優れた住宅は、今後起こりうる大地震による倒壊や破損のリスクを低減します。

建築基準法においても耐震性についての基準が設けられており、一定以上の耐震性を備えた建物でないと新たに建設することができません。耐震性には、大きく分けて「耐震」「制震」「免震」の3種類の構造があります。

耐震とは、建物そのものの強度を上げることで、地震に耐えるものです。制震とは、地震の揺れを建物の内部で吸収する構造のことです。さらに、免振は地震の揺れをかわすような構造を指します。

それぞれ違った特徴を持ちますが、日本の住宅においては耐震性能が装備されていることがほとんどです。耐震性を高めることで、地震対策になることはもちろん、強風や台風などの影響も受けづらくなります。

断熱性

断熱性とは、熱が伝わることを防止する性能のことです。室内の温度は、外気温や天候に大きく左右されます。

冬の寒さや夏の暑さが室内に影響すると、快適な住環境とは言えません。断熱性に優れた住宅は、外壁や屋根、窓から外部への熱の放出を妨げることで、室内と屋外との熱の行き来を最小限に抑えます。

冷暖房によって作りだした快適な室温が外部に逃げにくくなるため、効率よく部屋の温度を保つことができます。そのため、断熱性の高い住宅は、エアコンの余分な使用を抑え、省エネルギー性が高まります。

気密性

断熱性と同様に重要な要素が、気密性です。断熱性を高めることで効率的に部屋の温度を調整できますが、気密性が欠けていると、せっかくの断熱性能を活かすことができなくなってしまいます。

気密性とは、建物と外部との間に空気の通る隙間がないことを指します。隙間の多い住宅は、室内の快適で新鮮な空気を外に逃がしてしまい、夏は暑く、冬は寒いという住環境を引き起こします。

気密性を高めることで、断熱性能を最大限発揮できるようになり、住宅に悪影響を及ぼしかねない結露の発生防止にもつながります。快適な住環境を実現するためには、断熱性と気密性をセットで考慮することが重要です。

耐火・防火性

火災時に被害を最小限に抑えるためには、耐火性能と防火性能を備えた家づくりが肝心です。耐火性能とは、建物の燃えにくさを指します。

万が一、火災が起こった際に、建物の倒壊や近隣への延焼を防止します。耐火性能には、壁や柱が熱による変形にどれほど耐えられるかという基準が定められています。

一方、防火性能は近隣で発生した火事の影響を受けにくい構造のことです。建築基準法で定められており、主に外壁と軒裏の材料に取り入れられています。

特に都心部では近隣との距離が近いため、火災の発生時には火が燃え広がる危険性があります。延焼を防止するためにも、耐火性と防火性を取り入れた家づくりが欠かせません。

防犯性

日本は凶悪犯罪の少ない国ではありますが、それでも空き巣や敷地内侵入などの被害は年間で数万件以上発生しています。防犯に対する意識を高く持つことが大切です。

空き巣が住宅に侵入する方法としては、鍵のピッキングをイメージする方が多いですが、実は被害の6割以上がガラスを破っての侵入とされています。

家の防犯性を高めるには、窓ガラスを強化することが効果的です。防犯用の強固なものやサッシを二重にするなどの対策が有効です。

防犯対策によって、必ずしも犯罪を防げるとは限りませんが、被害に遭う確率を格段と下げることができます。

耐久性

建物の耐久性は、マイホームを資産として考える上で重要なポイントです。耐久性には、耐震性や断熱性、気密性などのさまざまな要素が関わっています。

また、建てる時だけでなく、暮らし方にも耐久性が関わってきます。どれだけ耐震性や断熱性が高かったとしても、家族の成長に伴って変化するライフスタイルに対応できなければ、建て替えやリフォームが必要になってくる可能性があります。

そのため、家の性能に加えて、あらゆる状態に対応できるような家づくりが欠かせません。

家の性能で着目すべき数値

家の性能について、数値で比較することができます。着目すべき数値について解説していきます。

C値

C値とは、住宅の気密性を表す数値のことです。建物の延べ床面積に対する隙間面積の割合を示しており、数字が小さいほど気密性が高いことがわかります。

家全体のすき間をハガキに例えると、C値5.0の住宅には、ハガキ5枚分の穴が空いていることになります。一方、C値1.0の住宅は、ハガキ1枚分の穴しか空いておらず、気密性が高いことになります。

UA値

UA値とは、外皮平均熱貫流率を意味しており、断熱性を表す数値です。壁や窓、天井、床などの外皮からどれだけの熱を損失しているかを計算しています。

UA値が0に近いほど、断熱性が高いことを示しており、断熱性能を高めることで冷暖房費の節約につながります。さらに、家全体を快適な室温に保つことができるので、ヒートショックなどのリスクを低減し、健康的な生活を送ることができます。

G2基準

G2基準とは、「HEAT20」という団体が推奨する断熱水準と室内温度環境のことです。長期優良住宅では、断熱等級5、UA値0.6の住宅をZEH基準と定めていますが、HEAT20のG2グレードでは、それ以上の性能を求めています。

G2グレード以上の住宅を建てることで、健康的で快適な生活を送れると言われています。

耐震等級

耐震等級とは、地震に対する住宅の強さを示す指標です。耐震等級は、強さによって1~3のランクがありますが、数字が大きいほど、より地震に強く、安全に暮らせることを表しています。

耐震等級1の住宅は、建築基準法で最低限定められた基準のことであり、阪神・淡路大震災ほどの地震でも倒壊しない程度の耐震性を持っています。耐震等級2の住宅は、病院や学校などの避難所になりうる建物に求められる基準であり、耐震等級の1.25倍の耐震性があります。

最もランクの高い耐震等級3の住宅は、消防署や警察署など防災拠点となる建物に求められる耐久性が必要となります。耐震等級1の1.5倍の耐震性であり、複数回の地震の揺れにも耐えられるとされています。

まとめ

今回は、家の性能について、覚えておきたいポイントをいくつか紹介しました。従来の家づくりでは、間取りや日当たりの良さなどが重視されがちでしたが、近年は家の性能に重きを置いた家づくりへと変化しつつあります。

家の性能には、耐震性や断熱性、気密性などの要素があり、それぞれの性能を高めることで、健康的で豊かな生活を送れるとされています。また、室内の温度を効率的に調整することができるようになるため、光熱費の節約にもつながります。

また、家の性能を表す数値には、C値やUA値、耐震等級などがあります。本記事が参考になれば幸いです。

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