注文住宅を建てる前に知っておきたいこと
注文住宅を建てるときに知っておくべきことがあります。まずは家を建てるまでの流れについてです。また、家を建てる前に抑えておくべき注意点も知っておきましょう。さらに、住宅会社を選ぶときに知っておくと、自分にあったところを見つけられるポイントがあります。今回の記事では、それらについて詳しく解説していきましょう。
家を建てるまでの流れを把握しておこう
まず、家を建てるまでの基本的な流れを把握しましょう。注文住宅の場合、以下の手順が一般的ですが、地域や住宅メーカーによって異なる可能性があるので、実際に利用する住宅メーカーへの確認が重要です。
まずはプランニングとデザインを決める
まずは家の用途や希望する間取り、予算、納期、特殊な要望などを話し合い、すべて洗い出します。それらの要素をまとめるためにプランナーと協力し、家の概要と要望をまとめましょう。
この段階が終了したら土地選びに進みます。土地選びでは建設予定地を決定し、土地の法的条件や建築制約を確認してください。その後、複数の住宅メーカーと相談し、希望に合ったプランや見積もりを依頼し、納得できるものができあがったら契約を結びます。
契約と設計を行う
複数の住宅メーカーと相談し、希望に合ったプランや見積もりを依頼し、その中から住宅メーカーを選定します。選定の際には会社の信頼性や実績を調べたり、口コミを調査したりすることが大切です。選んだメーカーと契約を結び、建設の基本条件や費用、スケジュールなどを確定させるための仮契約を交わします。その後、建築家や設計者と共に具体的な間取りや外観、仕様などの詳細を決定していきましょう。
建設を開始する
建設の最初の段階では、実施設計を行います。これは設計段階のプランをもとに、実際の建物をつくるための詳細な設計を行う作業です。次に、建設予定地の整地や地盤調査を行い、建築に適した土地に整えます。それが終われば、住宅の基礎を築く基礎工事が行われるのです。そして住宅の本体を建てる工事に移ります。最後の手順は内装や外装の仕上げ工事です。
竣工と引き渡し作業
仕上げ工事が終了した後、竣工と引き渡し作業が行われます。竣工は建物が完成した後に、建築基準や契約内容に適しているか検査を行う作業です。検査に合格した後、住宅の引き渡しが行われ、所有者に鍵が渡されます。
アフターサポート
住宅の完成後も、一定期間内に生じた問題に対して、修理や保証を行うアフターサポートが提供されます。注文住宅を建てる際には、計画から完成・引き渡しまでの一連のプロセスが必要です。建築会社との信頼関係を築き、充分な相談と検討を重ねることで、自分にとって理想的な住宅を実現することができるでしょう。
家を建てる前に知っておきたい4つの注意点
家を建てる前に知っておきたい4つの注意点があります。注文住宅で家を建てる際には、以下の点に留意することが重要です。
耐久性能・耐震性能
耐震性は地震に対する建物の強さを表す言葉であり、高い耐震性をもつ建物は地震による揺れに対して堅牢で壊れにくい特性を示しているのです。一般的には建物の新築時や調査時の地震に対する強さを示すことが一般的ですが、建物の劣化によって耐震性が徐々に低下する傾向があります。
一方、耐久性は、年月の経過によって建物がどれだけ傷みにくいかを示す言葉です。耐久性が高い建物は、長い期間を経ても性能が新品と変わらず維持される特性をもちます。耐久性は建物の構造部分だけでなく、防水性や断熱性、気密性などさまざまな要素に影響するのです。
したがって、構造部分から仕上材や設備、窓などのさまざまな部分において耐久性が求められます。耐久性を長期間にわたって確保するためには、とくに水分管理が重要です。たとえば、木造の場合は木材自体の強度と接合部分の強度(金物の強度)が重要な要素となります。
RC造(鉄筋コンクリート造)では、コンクリート部分のアルカリ性の保持と鉄筋部分の錆びの防止がポイントです。また、鉄骨造では、鉄骨部分の錆びを防ぐために接合ボルトやリベットの強度にも注意が必要になります。
具体的なイメージをしてからの素材選び
まず、外壁を選ぶ際には以下のような要素に注目することが重要です。
費用面だけでなく、素材の種類や色、メンテナンスのしやすさ、そして建てたい家のイメージに合っているかを考慮しましょう。また、周囲の環境や地域の気候に適した素材を選ぶことも大切です。これらの要素をバランスよく検討し、理想的な外壁を選びましょう。
次に、屋根を選ぶ際には各素材の特徴や費用、メンテナンス方法などを比較することが重要です。屋根は家の外観に大きな影響を与えるだけでなく、耐久性も考慮する必要があります。そのため、素材ごとに利点と欠点を考え、予算との兼ね合いをもちながら最適な屋根材を選択することが大切です。
さらに、断熱材は家の快適性に直結する重要な要素です。断熱材を選ぶ際には、耐熱性や耐久性、防火・耐熱性、撥水性、防音・吸音性などを検討することが重要。適切な断熱材を選ぶことで、家の冷暖房効率を向上させ、快適な室内環境を確保することが可能です。
実行可能なローン計画の策定
まず、自分がいくらまでの家を建てることができるのかを把握することが重要です。住宅ローンでどれくらいのローンを組むことができるかを仮審査で確認しましょう。これにより、返済の負担を事前に把握することができます。
次に、子どもの教育や親の介護など、将来的にかかる費用を考慮してローン計画を立てる必要があるでしょう。将来的な経済的な負担を見据え、ローンの返済額に余裕をもたせます。また、預貯金からどれくらいの資金が用意できるかも確認しておくことが大切です。
さらに、祖父母や両親からの資金援助が贈与税に該当するのか、非課税となるのかも確認しておく必要があります。贈与税の対象となる場合、それに見合った対策を考えることが重要です。これらのポイントを確認し、無理のない範囲でローン計画を策定しましょう。将来の経済的なリスクを最小限に抑え、安心して住宅ローンを組むことができるように注意深く計画を立てることが大切です。
収納スペースや生活動線を考慮した間取り
収納スペースを検討する際には、現在必要なスペースだけでなく、将来的な収納ニーズも考慮しましょう。具体的なイメージをもって、将来子どもが成長した際や家族構成の変化などに対応できる収納スペースを計画することが重要です。将来的に必要となる収納の見込みを踏まえ、適切な収納場所を考えましょう。
さらに、生活動線も重要な要素です。日常の動線は家族それぞれに異なるため、一概にベストな導線を決めることは難しいですが、自分たちの生活スタイルや日常の動線を具体的にイメージし、家族がストレスなく快適に過ごせるような間取りを考えましょう。たとえば、キッチンや洗面所、リビングなどの場所が効率的に配置され、動線がスムーズになるように配慮するべきです。
住宅会社選びも重要なポイント
理想の家を建ててくれる住宅会社を選ぶ際には、ハウスメーカー、工務店、設計事務所の3つの依頼先から選択することができます。
ハウスメーカーのメリットは、一般的に知名度が高く、大手企業のブランドイメージや安心感があることです。しかし、価格帯が高く自由度が制限されることがデメリットでしょう。
一方、工務店は地域の工務店からデザイン性の高い新進気鋭の工務店まで幅広く存在します。自分に合った工務店を見つけることで、満足度の高い家を建てられるのです。ただし、レベルの低い工務店もあるため、注意しましょう。
設計事務所に依頼する場合は、建築家による家の設計と管理を行い、下請けの工務店が建築を担当することになります。建築家との相性が重要なので、設計事務所の選定には注意が必要です。
これらの選択肢の中から自分に合った住宅会社を選び、複数の会社をピックアップして訪れましょう。実際に訪れることで、サイトやパンフレットとのイメージの違いを確認できますし、各会社の特長を把握することができます。さらに、以下の項目を併せて吟味することも重要です。家は一生に一度の大きな買い物であり、長い時間を共に暮らす場所ですので、慎重に選択しましょう。
品質と信頼性の保証
信頼性のある住宅会社を選ぶことで、建物の品質と信頼性が保証されます。確かな実績をもつ会社は、高品質な素材と施工を提供し、トラブルが少なく、耐久性に優れた家を建てることが期待できるでしょう。
安全性の高さ
家は安全な場所でなければなりません。また適切な技術と専門知識をもつ会社は、建築基準や安全基準を必ず順守し、安全性の高い家を建ててくれます。
プランとデザインの適合性
家は、各家族や個人によってライフスタイルやニーズが異なるものです。信頼できる住宅会社は、顧客の希望や要望に合わせたプランやデザインを提供することができます。またそのサポートの質が高いところも多いです。
費用対効果の高さ
住宅会社の見積もりを比較し、費用対効果を検討することで、コストと品質のバランスを見分ける目を養うことができます。単純に安価な見積もりを出す会社を選ぶのではなく、品質やアフターサポートをふくめて総合的な価値を見た上で判断することが重要です。
アフターサポートは充実しているか
完成後のアフターサポートは重要な要素です。問題や修理が発生した場合に、信頼できる住宅会社は迅速に対応してくれます。
法令を遵守しているか
建築プロセスは法律や規制に則って行われる必要があります。信頼できる住宅会社は法令遵守を徹底し、適切な手続きを必ず行うものです。
顧客の評判と口コミ
過去の顧客の評判や口コミを参考にし、信頼性やサービスの質を確認しましょう。
まとめ
ここまで、注文住宅を建てる前に知っておくべきポイントについて解説してきました。建物建築の流れは、プランニングとデザインを決めた後に契約と設計を行い、建築を開始し、完成した家の検査をして合格すれば、鍵を所有者に渡すという順序です。また、完成後もアフターサポートがあり、必要な際に迅速な対応が期待できます。建物建築前に知っておくべき重要なポイントとして、耐久性と耐震性能、具体的なイメージをしてからの素材選び、実行可能なローン計画の策定、そして収納スペースや生活動線を考慮した間取りが挙げられるでしょう。最後に、適切な住宅会社を選ぶ際には、自分の希望に合致する会社を選んだ後、さまざまな視点で再度検討し、最終的な決定を行うことが大切です。自分の理想の家を実現するため、慎重な選択と計画が重要となります。