いま移住先として糸島市が人気!移住の魅力や支援制度を解説!
福岡県最西部に位置する糸島市をご存知でしょうか?「糸島」という名前から、離島をイメージされるかもしれませんが、糸島は博多駅から電車で40分もあればアクセス可能な陸つづきの街です。
海に面した自然豊富な糸島市は、いま移住先として人気の高いスポットです。今回はそんな糸島市への移住の魅力や支援制度について解説します。
もくじ
福岡県糸島市が移住先として人気?どんなところなの?
福岡県糸島市は2010年に旧前原市・旧志摩町・旧二丈町が合併して新しく生まれた市です。市としては誕生して間もないですが、中国の歴史書「魏志倭人伝」に記されている伊都国がかつて存在し、卑弥呼時代を思わせる展示物や弥生時代の人々の暮らしがわかる遺物が展示される博物館を有するなど、歴史ロマンにあふれた土地でもあります。
福岡県の最西部の糸島半島に位置し、北側は日本の渚百選や日本の夕日百選にも選ばれている景勝地「桜井二見ヶ浦」のある玄界灘を望み、南側は福岡の街並みを一望できる大パノラマが楽しめる背振山系の山々に囲まれた自然豊かな土地です。博多や天神、福岡空港といった福岡の中心部へ電車一本でアクセスできる利便性のよさから、レジャースポットや住みたい街として人気があり、福岡市のベッドタウンとしての側面もあります。
また「糸島ブランド」として農産物・海産物・豚肉などの食材が有名で、古くから受け継がれてきた手法にこだわってつくられる醤油・酒造・塩といった調味料やハム・ウィンナーの加工品など、新鮮美味な食材が揃っていることも魅力です。家族全員で楽しめるアクティビティとして、GWあたりから9月下旬まで楽しめるヤマメ釣りや郷土料理「そうめんちり」「そうめん流し」も有名で、見る・食べる・遊ぶのすべてをかなえられるスポットといえます。
観光地として百点満点の糸島市ですが、福岡で住みよい街としても現在注目を集めています。糸島の人口はここ数年増加傾向になっており、糸島市が公開する統計データによると、令和3年の糸島市の人口増加率(0.87%)は全国平均(-0.51%)と比べて約13ポイントも上回り、移住先として需要が高いことがうかがえます。
東京と同じ「太平洋側気候区分」に属しており、気候は住みやすく温暖です。統計情報によると年間平均気温が14.7℃、一年を通して雨量が多く年間平均降水量は1,699mm程度となっています。
糸島へ移住したくなる魅力について
住みやすい都市として注目される糸島の魅力について紹介します。糸島は山や海、サイクリングロードの自然・レジャー施設から温浴施設まで充実しており、暮らしやすい街です。
糸島ブランドの野菜や美味しい海の幸も充実しており、レストランや市場で糸島で育った食材を楽しめるでしょう。
自然やレジャー施設が豊富
糸島は自然やレジャー施設が豊です。山や海が豊富な糸島には、糸島富士や滝があります。
美しい円錐形の糸島富士は可也山と呼ばれ、山頂には風穴があり玄武岩の台地が特徴です。さらに糸島富士の山頂には神武天皇を祭った可也神社があり、趣を感じられるでしょう。
また、海や山が豊富な糸島ではレジャーを楽しめます。サイクリングロードや姉子の浜、桜井二見ヶ浦などはレジャー施設として有名です。
桜井二見ヶ浦は「日本の渚百選」や「日本の夕陽百選」に選ばれた観光スポットであり、夕日が特徴のため「夕日の二見ヶ浦」と呼ばれています。桜井二見ヶ浦の海岸150mには、スズメ岩と呼ばれる夫婦岩があり夕方には岩の中央に夕日が沈むことが特徴です。
美味しい食材が多い
糸島は美味しい食材が多く、糸島ブランドや海鮮が注目されています。糸島ブランドの野菜は料理人が仕入れに訪れるほど美味しい食材です。
代表的な糸島ブランドの野菜はいちご・トマト・きゅうり・ブロッコリー・キャベツなどです。糸島は限られた農地でさまざまな品目を少量栽培しているため、豊富な種類の食材を美味しく楽しめます。
さらに糸島は野菜だけでなく海鮮食材も美味しく食べられます。糸島で採れる海鮮は鮮度・甘味・旨味・味わいに優れており、栄養が豊富です。
代表的な海鮮食材は糸島真鯛・糸島牡蠣などで、レストランや市場で楽しめるでしょう。糸島は野菜や海鮮が美味しいため、グルメ通も通う土地です。
好立地で都心にアクセスしやすい
糸島は好立地で都心である福岡市にアクセスが抜群です。福岡市のベッドタウンと呼ばれる糸島の市内には、駅が10箇所あります。
駅が多いことから、電車で通勤・通学をしている人が多いことが特徴です。さらに大型ショッピングセンターがあるため、日用品の買い足しには困りません。
大型ショッピングセンターだけでなく、アパート・マンション・学校・病院・コンビニエンスストアなど生活に必要な施設も充実しています。市内では地元のイベント・お祭りが開催されることもあるため、1年を通して楽しめるでしょう。
好立地で都心にアクセスしやすく暮らしやすい街のため糸島の人口は年々増加傾向にあり、2022年の人口数は102,936人でした。
ランキングで世界3位に選ばれ注目されている
糸島は、世界80ヶ国以上で販売されイギリスの情報誌「MONOCLE」が実施した「輝く小さな街」で世界3位に選ばれました。青森市も選ばれていますが順位は16位であるため、糸島は日本1位であることがわかります。
「輝く小さな街」とは人口25万人未満の街を対象に、住みやすさ・ビジネス機会・移住者への寛容さ・生活の質を総合的に評価して順位が決まるランキングです。糸島は豊かな自然・都心へのアクセス・移住者への支援などが評価されてランキング3位になりました。
糸島の暮らしやすさは世界からも評価されています。
温浴施設が多い
糸島は露天風呂を中心とした温浴施設が多く、日々の暮らしに癒しを与えられます。地下から湧く天然水を使い、丸みがあり肌触りがよい温泉を楽しめる湯どころから、内湯・ワイン風呂・抹茶風呂などが楽しめる施設まで温浴施設は豊富です。
天然水を使った「糸島サイダー」を販売している施設もあります。さらに、食事処と湯処が併設された施設では、絶景を眺めながら露天風呂を楽しめるでしょう。
以上のように糸島では美味しい野菜や海鮮を食べたり、豊かな自然でレジャーを楽しんだ後は露天風呂で疲れを癒せます。
糸島市で利用できる移住支援制度とは
糸島市で利用できる移住支援制度を紹介します。糸島市では住民に対して子育て支援から新婚世帯への支援、地域コーディネーターによる定住のサポートまで行っています。
子どもの遊び場や保護者の情報交換ができる場の提供をしているため、糸島は子育てがしやすい街でしょう。また、糸島に詳しい人が地域コーディネーターとして選任されているため、移住の相談を行えます。
糸島市で行っている子育て支援
糸島市は多くの子育て支援を行っています。糸島は前原・二丈・志摩に子育て支援センターを設置しており、子どもの遊び場や保護者の情報交換の場、子育て教室など子育てに関する支援事業をしています。
子育て支援センターでは子どもの親を対象とした育児相談・離乳食教室の設置や、栄養士・保健師への子育て相談など行えることが特徴です。さらに小学校1年生〜6年生を対象に放課後児童クラブを開いています。
子育て支援に関連して、糸島市は共働き家族の子育て支援もしています。日本の共働き家族率は年々増加しており、2001年から2021年まで約1.5倍増加し、夫婦のいる世帯全体の約7割に達しました。
以上のような共働き家族を支援するために、病児・病後児保育コアラを設置しています。病児・病後児保育コアラは子どもの一時預かりを行え、子どもの風邪や外出時などに活用できるでしょう。
糸島は、子育て支援センターや共働き家族の子育て支援のほかにも子どもの医療費の助成も行っており、調剤薬局の医薬品代は0歳から15歳まで無料です。さらに0歳から2歳であれば通院や入院が無料なので、子育て世代には暮らしやすい街でしょう。
新婚世帯に支援金を交付
糸島市は少子化対策として新婚世帯に支援金を交付し経済支援をしています。日本の出生率は第二次世界大戦後から低下しており、少子化問題に対応した政策が必要です。
また、日本の平均結婚年齢は令和元年のデータで夫31.2歳・妻29.6歳でした。令和元年の結果は平成26年と比較すると夫婦共に年齢が上昇しました。
世界の平均結婚年齢と比べると、日本の平均結婚年齢は高いわけではありません。しかし、結婚年齢と子育てのライフプランは関係するため、少子化問題に関連して引き続き対応すべきでしょう。
糸島は夫婦共に39歳以下の場合最大30万円、29歳以下の場合最大60万円の支援金を交付しています。支援対象は住宅の取得費用や改修費用、賃貸費用や引っ越し費用であり、要件に達することで交付を受けられます。
認定申請と交付申請の2段階を行うことで交付手続きとなりますので、必要書類を提出しましょう。糸島が行う新婚世帯対象の交付金は少子化対策のほかにも、Uターン促進や多世代同居を推奨するものです。
支援金により、新婚世帯が子育てしやすい環境と感じるでしょう。
移住希望者に定住サポート
糸島市は地域コーディネーターが定住のサポートをします。糸島市の地域コーディネーターは地域情報の提供や移住希望者の相談対応、移住後のフォローをしてくれます。
糸島に詳しい人が地域コーディネーターとして選任されるため、安心できるでしょう。地域コーディネーターは、市内16の小学校区のうち15校区に配置されています。
糸島に精通する地域コーディネーターには、どんな人が住んでいるのか・どんな場所で買い物をするのかなど、移住に対する疑問を相談できるでしょう。地域コーディネーターは、糸島市地域振興部のコミュニティ推進課、人口減少地域対策係でお問い合わせが行えます。
また、移住者に向けて暮らしに役立つ施設の市立コミュニティセンターや文化施設、運動施設なども設置されています。地域コミュニティも活発で自治体や町内会の防犯防災活動や環境美化活動、福祉活動などがあるため、糸島での暮らしがよりよいものとなるでしょう。
糸島の市民全体でお互いに助け合う街にしようと活動しています。
移住の前にチェックしよう!3つの注意点とは
自然が豊富で、都心へのアクセスもよく、食べ物も美味しく、移住サポートも受けられる糸島ですが、移住を決める前にチェックしたい3つの注意点があります。1つめは移動が基本的に自動車になることです。
移住するエリアにもよりますが、基本的に移動は車があると、買い物や休日のおでかけなど行動範囲が広くなります。車を所有していなくても、日常的に車が不要なライフスタイルであれば、メインの移動手段を自転車や徒歩中心にし、必要に応じてカーシェアリングやレンタカーを活用するといった選択も可能です。
糸島と博多方面を結ぶ電車(筑肥線)は、強風により止まりやすいため、いざという時のためにほかの交通手段を確保しておくと安心です。2つめの注意点は、水道光熱費が高めに設定されていることです。
糸島は都市部と比べて人口密度が低いため、ひとりあたりのライフラインの維持費の負担が高くなっています。3つめの注意点は平均年収が低い点です。
総務省が公開した統計資料をもとに、2021年の市町村別課税対象所得の総額を納税者数で除算して求めた糸島市の平均年収は300.1万円で、同じ県内の都市エリアである福岡市(362.4万円)や、首都である東京都の各区(中央区712.5万円、港区1184.7万円、品川区517万円等)と比べて低い水準となっています。糸島市への移住目的のプライオリティが「年の喧騒から解放されること」や「静かな暮らし」など、お金よりも暮らしを大切にしたい場合は問題ありませんが、収入面の不安がある場合は、リモートワークなどのワークスタイルを検討しておくとよいでしょう。
糸島市移住におすすめのエリア情報
前原エリア
糸島市の中心街である筑前前原駅周辺のエリアです。利便性が高く、空港や新幹線、高速道路にもアクセスしやすい傾向にあります。
■アクセスが良好
始発駅にもなる筑前前原駅は、約30分程度で乗り換えもなく天神まで到着できる場合がほとんどです。また、国際空港である福岡空港へのアクセスがしやすく、台湾や中国、マレーシアなどに直行便があるため、アジア圏へのビジネスや旅行がしやすいエリアとされています。
加えて、筑前前原駅の南側には高速道路のインターチェンジもあり、約15分程度で海や山を訪れることが可能です。
■自然と暮らしやすさを両立
前原エリアは、市役所や図書館などの公共施設やカフェやレストランも多く賑わいのあるエリアです。大型のショッピングモールもあるため、買い物も行いやすい傾向にあります。
また、海や山などの豊富な自然にも恵まれており、漁港の近くでは新鮮な海産物を楽しむことも可能です。そのため、豊かな自然に恵まれた田舎の良さと都会の暮らしやすさを兼ね備えたエリアといえるでしょう。
しかし、夜は街灯が少なく、暗い道も多い傾向にあるため、夜道を歩く際は注意が必要です。防犯のためには、状況に応じてタクシーの利用も検討しましょう。
志摩エリア
おしゃれなお店が多く、観光客の人気も高い傾向にあるのが志摩エリアです。駅までは距離がありますが、天神や博多までは直通の高速バスが通っており、近くには大型のショッピングモールもあるため、不便さを感じる場面は少ないでしょう。
移住者にも人気のあるエリアですが、糸島市は空き巣や盗難などが発生しやすい傾向にあるため、防犯対策は欠かせません。
■家族やカップルに人気
志摩エリアは海沿いにあるため、美しい海で海水浴やマリンスポーツを楽しむことが可能です。また、サンセットロードと呼ばれる道では、サイクリングやドライブを満喫できます。
家族連れやカップルが楽しめるようなカフェやレストランも豊富にあるため、充実したひと時を過ごせるでしょう。
■数多くの絶景スポット
美しい海に恵まれた志摩エリアには、多くの絶景スポットがあるため、年間を通して美しい風景を楽しめます。主な絶景スポットの例は以下のとおりです。
・芥屋の展望台
・立石山の中腹
「糸島のトトロの森」といわれる芥屋の大門公園にあるのが「芥屋の展望台」です。唐津側の透き通る海と、日本三大玄武洞のひとつである芥屋の大門を一望できます。
標高210mの低山である立石山の中腹にある駐車場からは、糸島市内を見渡すことが可能です。中腹から山頂までは約15分程度とされているため、登山初心者でも気軽に挑戦できるでしょう。
山頂からもオーシャンビューが広がるため、美しい景色を堪能できます。
二丈エリア
佐賀県との県境にあり、筑前深江駅を中心とした海沿いの地域が二丈エリアです。二丈エリアの東側には福岡のベッドタウンが広がり、西側は古き良き漁師町の雰囲気が残っています。
駅周辺は住宅街ですが、近くには地元のスーパーもあるため、生活もしやすく、西九州自動車道の一部である今宿道路を利用すれば、福岡市中心部へもアクセスしやすいでしょう。保育施設やフリースクールなども多いため、比較的治安が良い傾向にあります。
■豊かな自然
筑前深江駅から10分ほど歩くと深江海水浴場に足を運べます。玄界灘に面した穏やかで遠浅な海は、小さな子どもでも安心して楽しめるでしょう。海の家では、獲れた魚をバーベキューで味わえるため、観光客にも高い人気を誇っています。
また、国道202号線を西に進んだ福吉漁港では糸島カキを堪能できる牡蠣小屋もあるため、新鮮な海の幸を味わえるでしょう。
■マリンスポーツにおすすめ
穏やかな海が広がっているため、マリンスポーツを楽しむことが可能です。バナナボートやカヤックなど美しい海の上で満喫できるマリンスポーツが豊富にあります。
施設によって行えるスポーツの種類が異なるため、事前にしっかりと確認するのが重要です。深江海水浴場では、マリンスポーツだけでなく地引網の体験も行えるため、大人から子どもまで楽しめるでしょう。
まとめ
いま移住先として人気のある福岡県糸島市について、移住の魅力や支援制度を解説しました。糸島市は玄界灘と背振山系の山々に囲まれた自然豊富な土地です。
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